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ブログ更新2537回目。
今日は家庭で消費される1000cc牛乳の輸配送コストについて
お話してみようと思います。
冷蔵(チルド)飲料の物流コストを考える際に、1本あたりの
物流費がどれくらいになるのか疑問に感じることって
ありますよね。
今日は、牛乳を事例にして2トン車、4トン車、大型車で
牛乳を輸配送する際の1本あたりの物流単価を計算して
みたいと思います。
この数字を知ることで、牛乳をはじめとする冷蔵飲料の
物流コストを最適化するヒントにしていただけると嬉しいです。
♦牛乳はピュアクレートというケースで物流される
工場からスーパーやコンビニまで、牛乳はそのまま運ばれる
わけではありません。
通常はピュアクレートという1リットル12本入り専用の
通い箱で輸配送されることが一般的です。
1リットルが12本入りですから、1ケースは12kg。
クレートが1つ1.3kgですから、12本入りのクレートは
13.3kgとなり、これが1つの目安になります。
段ボールでの輸配送も多くなってきましたが、圧倒的に
多いのはピュアクレート。
理由は、牛乳は日常消費型の食品であり、毎日ある程度
一定の数量が見込めるので、再利用が可能な”通い箱”で
輸配送されています。
♦当たり前ですが、まとめて運ぶと単価は安くなります
ここからが単価の話です。
輸配送コストは、それにかかる時間と距離でコストが決まります。
今回は配送距離を往復200Km、時間は9時間を前提に考えていきます。
まず2トン車の場合。
2トン車は積載重量が2000kgですから、13.3kgで割り返すと
クレート約150ケース。
150ケース×12本となるので、最大で約1800本積載することが
可能と考えることができます。
前提条件から予想される運賃は23000円~25000円が相場では
ないでしょうか。
そうなると、2トン車で牛乳を運ぶ際の目安となるコストは
24000円÷1800本ですから1本あたり13.3円となります。
小売価格で200円程度が相場の牛乳ですから、輸配送コストだけで
13円はちょっと厳しいですね。
次に4トン車。
以前豆腐の輸配送コストをご紹介した際にもお話しましたが、
冷蔵(チルド)や冷凍の4トン車というのは重量で4トンを
積載することができません。
冷凍機や断熱材などを架装するため積載量が減ってしまうことが
原因です。
実際には4トン車の積載重量は3トン前後になります。
ここでは仮に3300kgとして考えてみることにします。
(当社の牛乳専用車が3300kgくらいが多いことが理由です)
3300kgを13.3kgで割り返すとクレートで248ケース。
248×12=2976本となりますから最大で2976本積載可能
ということになります。
前提条件における4トン車の運賃目安は、30000円前後が
相場ではないでしょうか。
そう考えると、30000円÷2976本で牛乳1本あたり約10円に
なります。
小売価格200円に対して5%相当ですから、知名度のある
大手・中堅乳業メーカーであれば採算が合うレベルに
なってきます。
最後に大型車。
大型トラックの積載重量も架装の仕様によって大きく
変化しますが、ここでは13500kgを目安にして
考えてみます。
今までと同様に13500kg÷13.3kgとなりますから、
最大で1015ケースとなって、
1015×12本=12180本が最大で積載可能ということに
なります。
前提条件における大型トラックの運賃目安は、だいたい
40000円~45000円が相場ではないでしょうか。
45000円とすると、1本あたり約3.7円になります。
小売価格200円に対して約1.8%相当になります。
大型トラックで満載にすると生産性が大きく上がることが
わかりますね。
♦特売の牛乳は地元の乳業メーカーが多い理由
スーパーの特売で使われる牛乳が地元の乳業メーカーの
ものが多いのは、中小の乳業メーカーの単価の安さだけで
なく、輸配送する距離が短いことで大量発注しても
物流コストが安価に抑えられることも理由の1つです。
特売で150円くらいの牛乳が大量に販売されているのを
見かけたことありますよね?
先ほどの計算でも1本あたりの物流コストは2.5%程度で
十分採算ラインに乗る比率なんですが、小売りセンターから
近い乳業メーカーを採用すれば、往復の走行距離が
100km以下ということも珍しくありません。
物流コストは理論上半分以下になるので、さらに
生産性が上がることになります。
特売商品の場合は薄利多売が基本ですから、1本あたりの
物流コストの低減は絶対条件です。
地元の乳業メーカーや工場のものが多いのも理解できますね。
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今日は、牛乳の輸配送コストについてお話してみました。
紙パックのドリンク類は同じような計算が成り立ちますので、
応用して考えてもらってもよろしいかと思います。
トラックの運賃や走行距離、またパレットを利用するか否かに
よっても単価は変化しますので、より細かいデータを把握したい
場合は、別途ご相談いただければと思います。
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