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ブログ更新4191回目。

先日、東京出張の帰りに常磐線の特急へ乗った時のことです。
全席指定席で、私は最後方の窓際に座っていました。
通路を挟んだ反対側には、少し陽気そうな年配の男性。
(年配と書きましたが、私も十分中年なので人のことは言えません。)
しばらくすると、その男性の前の席に若い女性がやってきました。
リクライニングを倒す前に、女性が後ろを振り返って一言。
「少し背もたれを倒しますね。」
とても丁寧な気遣いです。
すると男性は笑顔で、
「オッケー、いいよー!」
と快く返事をしました。
ここまでは、ごく普通のやり取り。
ところが、女性が背もたれを倒し始めた瞬間です。
男性がまるで駐車場の誘導員のように、
「オーライ、オーライ……はい、ストップ!」
そして続けて、
「それくらいがちょうどいい角度だから。」
女性も一瞬戸惑ったような表情を見せながら、
「ありがとうございます。」
と笑顔で応じ、そのまま座りました。
私は思わず吹き出しそうになりました。
なるほど、そう来たか・・・
本来なら、女性が気を遣いながら、自分の好きな角度まで
倒す場面です。
ところが、この男性は一瞬で会話の主導権を握り、
自分が一番快適な角度を自然に決めてしまったのです。
しかも、決して高圧的ではありません。
終始、明るく親切な雰囲気。
だから相手も、「まあ、いいか」と受け入れてしまう。
これはなかなか高度なコミュニケーション術だな、
と妙に感心しました。
もちろん、すべての場面で自分の主張を優先するのが
良いとは思いません。
リクライニングのように、お互いが少しずつ譲り合うべき
こともあります。
ただ、どちらでも大きな支障がない場面では、
感じよく自分の希望を伝えるという技術は意外と
大切なのかもしれません。
ビジネスでも同じです。
遠慮しすぎると、自分の希望は伝わりません。
逆に強引すぎれば相手は離れてしまいます。
笑顔で、相手への配慮も見せながら、自分の希望もしっかり伝える。
その絶妙なバランスが、人との関係をスムーズにするのでしょう。
ちなみに、その男性は最後方の席だったので、
フルリクライニングで実に満足そうな表情でした。
ああ、この方は最初からここまで見据えていたのか・・・
そう思った瞬間、この一連のやり取りがすべて
伏線だったような気がして、一人でクスッと笑ってしまいました。
世の中には、教科書には載っていない交渉術がたくさんあります。
今回の特急列車は、東京から水戸までの移動時間だけでなく、
コミュニケーション講座まで付いていたようです。
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