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ブログ更新4176回目。

あすか会議第5部分科会の「フィジカルAIの最前線」という
セッションを聴いて、とても印象に残った言葉がありました。
「フィジカルAIとは、AIを使ったロボットではなく、
AIが動きを生み出す技術である。」
この一言で、私の中のロボットに対するイメージが大きく
変わりました。
これまでの産業用ロボットは、環境を整え、決められた動作を
何度でも正確に繰り返すことが得意です。
だから自動車工場のような整備された現場では圧倒的な力を
発揮してきました。
一方、フィジカルAIは違います。
荷物の置き方が少し違う、人が横を歩く、通路に障害物がある。
そんな毎回違う環境の中でも、自ら判断して動こうとする技術です。
つまり、これまでロボットが苦手だった例外処理に挑戦しているのです。
物流業界でも期待が高いのは、倉庫でのピッキング作業だそうです。
確かに、人間にとっては難しくないものの、単純で負荷が高く、
慢性的な人手不足に悩まされる工程です。
こうした簡単だけれど、人はあまりやりたくない仕事こそ、
フィジカルAIが活躍する可能性があります。
一方で、登壇者の皆さんが口を揃えていたのは、まだ何ができるかは
誰にも分からないということでした。
世界中が挑戦しているものの、まだ完成形は見えていません。
この謙虚さが、とても印象的でした。
また、日本の勝ち筋についても興味深い議論がありました。
中国は圧倒的なデータの量で勝負しています。
一方、日本が勝負すべきはデータの質。
現場で蓄積された精度の高いデータや改善ノウハウこそ、
日本企業最大の武器になるという考えです。
これは物流にもそのまま当てはまります。
配送品質、温度管理、安全運転、荷待ち時間、積み付け方法など、
毎日現場で積み重ねているデータには大きな価値があります。
しかし、それを記録しているだけで終わらせてしまえば
宝の持ち腐れです。
AIが学習できる形で蓄積し、改善に活用できる企業だけが、
これから競争力を高めていくのでしょう。
もう一つ安心したのは、AIがブルーカラーの仕事を奪うという
単純な話ではないということです。
負荷の高い作業や危険な作業はAIやロボットが担い、
人間は判断や改善、新しい価値を生み出す仕事へシフトしていく。
そんな未来像が現実的だと感じました。
経営者として今回得た最大の示唆は、
”AIを導入するかどうかを議論する時代ではなく、
AIが学べる会社をどうつくるか”
を考える時代に入ったということです。
人材育成も、現場改善も、データの蓄積も、すべてが未来の
AIへの投資になります。
フィジカルAIは、まだ使えるかもしれないという段階です。
だからこそ、今から現場を整え、良質なデータを
蓄積している企業が、5年後、10年後には大きな差を
生み出すのではないでしょうか。
未来は突然やってくるように見えますが、その準備はいつも地味で、
毎日の積み重ねから始まっているのでしょうね。
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